中山恵美子展『Inspiration』

Gallery Hasu no hanaでは　2018年3月18日（日）〜 4月1日（日）まで39アートHasu no hana公募受賞者展として中山恵美子展『Inspiration』を開催いたします。

人物、植物、動物、建物、食べ物…
様々なモチーフで描かれた、中山恵美子の作品たち。一見全体的に脈力がないようにも見えますが、作家自身が生きてゆく中で感情に何かしらの振れ幅があったときーーそれは、日常のなんでもない出来事でも視点を少しずらしたときに湧き上がる可笑しみから、大自然に触れたとき・また人類に開拓されることのない風景を想像したときーー言語には代え難いふっと湧き上がる想いを表現してきました。言い換えるとそれは、未知なるものへの畏怖や憧れの表れを、描くことでその正体を掴もうとしていたり、気持ちを消化しているように見えてきます。

中山は、多摩美術大学では油絵を専攻しましたが、卒業後制作を続ける中で線、またそれを自由に表現しやすい画材として墨を用いるようになり、制作における独自性への足がかりを掴んでゆきます。

そして2018年3月15日より始まる、若手作家の登竜門と言われているvoca展へ出品することが決まりました。（出品には全国の美術館学芸員や美術記者、美術評論家などの推薦が必要とされている。中山はキューレータ山内舞子氏により推薦。）

voca展は「平面」作品を対象した展覧会となりますが、本来中山は始めから決めたサイズや枠に収まるようにせずに体裁を決めずに自由に制作をする作家です。本展『Inspiration』では、コラージュや、小さな立体作品を交え、昔から特に描いているという海、また山などの風景の新作や、日々沸き起こる閃きをドローイングにした多数の作品を出品いたします。作家の頭の中に入り込んだかのような多数の作品で構成する本展は、中山が自身を振り返り、テーマを分析するかのような内容ですが、同時に鑑賞者にとっても何か面白い事を思いついた時のわくわくした気持ちや、それらは日常の何気ないシーンにたくさんあるということを、改めて発見する契機となることでしょう。